レシピ本出版のその後、そしてこれからの希望
ソロモンから帰ってきてランニングを再開しました。
ソロモンでは暑いし、道は舗装されていないことや、治安など色々な状況から街を走るということはできませんでした。
日本は歩道もしっかり整備されているし、
夜も街灯がたくさんあり、ランニングやウォーキングをしている人も多いので夜でも安全に走れます。
これもまた、すばらしい!ことです。
さぁ頭をソロモンに戻しまして、レシピ本出版のその後についてのブログを書きます。
以前書いたブログに本を出版するまでに至った理由について書いてあります。
良かったらごらんください。
http://d.hatena.ne.jp/peacechyhi/20140320/1395279668
汗と涙の結晶のこのレシピ本「Kaikai blo Iumi」・・・
最初に本作りに着手をし始めたときはこのような感じでした。
そしてレシピの数をどんどん増やし、何度も試作を作り、撮影をし
執筆をして、編集をして、校正をして、
細かいところにも一つ一つ、
フォントや文字の大きさなど全てこだわりました・・。
ソロモンには本を作ろうにも編集者なんていませんし、全て自分でやらなくてはいけません。
今この本を手に取ると、ただの本だなという感覚なのですが、
実際にその一冊の本ができあがるまでには大変な作業の連続でした。
結果、8ヶ月後にはこのように完成しました。
このpreface(前書き)はかなり長い時間を費やして書きました。
こちらはソロモン諸島の伝統料理の紹介です。
まず今年の3月に100冊をJICAの活動費を使用して作成しました。
その後、いくつかの団体から寄付を頂きまして30冊を追加で作成しました。
そして本はあっという間に売れてしまったため、JICAの活動費を再度申請をしました。
そして申請が通ると、任期終了の一ヶ月前に追加の150冊オーダーをしました。
とってものんびりでなかなか仕事をしてくれなかった印刷屋さん(http://d.hatena.ne.jp/peacechyhi/20140328/1396003847記事参照)
でしたが、頑張ってくれました。
私の任期終了ぎりぎり前にようやくこの150冊を仕上げてくれました。
結局、計280冊のレシピ本をソロモン諸島に送り出す事が成功しました。
日本ではレシピ本というとたくさんの種類の物が売られていますが、
ソロモン諸島では本屋がなく(教会系の本屋が2軒あるのみ)、レシピ本ももちろんありません。
日本のようにマスメディアが発達していなく、テレビも普及していませんし、料理番組もありません。
以前保健省が作成し医療機関に配布をしたレシピ本がありましたが、内容は文字ばかりで理解しがたいものでした。(識字率が低いので文字ばかりだと理解できません)
そのためこの私が作成したレシピ本は栄養について学ぶ上で、
ソロモンで大きな役割をしてくれるのではないか?と大きな望みを持っています。
2014年3月〜6月にかけて任期終了前の3ヶ月は、
本を増刷するための支援を頂くためにいくつかの団体に個人的に話をしに行く日々でした。
一つの組織にアポをとって、実際に担当の方に会ってもらうまでにはとても時間がかかったし、
うまくいかないことも多く毎日落ち込んだり泣いたり大変な日々でした。
そんな奮闘をする中私の活動にポジティブに協力したいと言ってくれる友人たちが現れました。
その友人の協力のおかげでソロモンのロータリークラブが支援について前向きに考えてくれている状況だったのですが、
話がまとまる前に帰国となってしまい残念な結果になりました。
また、友人が国連機関のWHO(世界保健機関)にも話をつなげてくれました。
そして私からWHOソロモン支所の所長に直接電話をし、アポイントをとりつけ、
この一冊の本を持ってWHOに話をしに行きました。
WHOでは所長と栄養士さんが聞いてくださりました。
このミーティングの前は本当に緊張して何度もプレゼンテーションの予行練習をしました。
友人にプレゼンテーションを聞いてもらったりもしました。
WHOでは本に対してとっても高く評価して頂き、本のプロモーションの方法などのアドバイスを頂きました。
そしてWHOからソロモン国の保健省の栄養課へと紹介して頂く事になりました。
保健省でもこの本を高く評価して頂きました。
そして今後ソロモンの国の予算を毎年組んで増刷して行きたい、
また、ソロモン全土で栄養のワークショップをローカルの方々にする際に教材として使って行きたいとの旨のお話を頂きました。
実際に予算が出るのだろうかというところは疑わしいのですが、
私はこれらを承諾してコピーライトなどのコントラクトを結び本の原データを保健省に渡す事を決めました。
そしてソロモンの保健省からThanks letterを頂きました。
以上が私の出版したレシピ本についての経緯です。
まだまだこの本には希望がありますし、今後もソロモンで広がっていてもらいたいと思っています。
そしてほんの少しでもソロモン諸島の栄養改善に役立てて頂けたら幸いです。
そしてまたいつか、さらに良いレシピ本をソロモンで?他の国で?作りたいなぁというのが私の夢でもあります。
任期終了直前の本を持ってあちこちでプレゼンテーションをしていた時期は、今振り返って思うと
ものすごいエネルギーと情熱に満ち溢れていたなぁと思います。
とにかく本の必要性を知ってほしいという一心で、まさに当たって砕けろという思いでぶつかっていました。
またそれも、良い思い出です。
最後に、
この本に対して長期的に献身的にアドバイスと手助けをしてくれた愛する友人たち
(英語がほとんど話せなかった私を見捨てず最後まで向き合ってくれたこと、英文の校正、他機関との連携、アドバイスなどなどたくさん)
キャサリン、フィリップ、フィル、ジェイミーに心から感謝の気持ちを送りたいと思います。