大学院で国際保健について研究しています。

タイにおける食生活の問題点について(この2ヶ月の観察から)

私は大学院で発展途上国における生活習慣病に関連する研究をしています。
特に健康行動理論に興味があります。

私が現在留学しているタイはWorld Bankの分類では、Upper Middle Income Country(中進国)に位置付けられています。

そんな発展著しいタイでは肥満率が急増していて問題になっています。
私はこの2ヶ月、「人々の生活」に焦点を当てて観察をしてきました。

その中でも肥満の原因となる食生活に着目をしました。

タイの食生活、何が問題なのだろうか?
この2ヶ月の生活の中で考えたことあれこれ。

タイでの生活や、食生活の素晴らしい点も色々見えてきました。
今回はまずは食生活の問題点について考えてみます。

①外食、中食文化

タイの食生活を考える上で外せないポイントがあります。
それは、「外食文化」であること。

家にキッチンがない・自炊をする方がお金がかかるというような理由から
タイでは3食外食であることも少なくありません。
街中にある屋台は人々の胃袋を支えています。

また、中食とも言われているのですが、屋台でテイクアウトして家で食べることもよくあります。

外食では化学調味料の使用、砂糖や油分などの調味料の量を調節できないことが大きな問題点であるように思います。




②食生活の問題点

⭐︎コーヒーショップ

タイの人々はとても甘い飲み物が好きです。

バンコクではコーヒーショップがとても多いのですが(大学構内だけでも10軒以上はある。犬も歩けばコーヒーショップに当たるほど)
ブラックコーヒーやブラックティーを頼むとミルクは入っていないのですが大量の砂糖が入って出て来ます。

ラテやモカなど頼むと驚くほど舌が痺れるほど甘いコーヒーが出て来ます。
タイに来た当初は好んで飲んでいたのですが、大量のコンデンスミルクとシロップを加えて作る工程を見ていると、
恐ろしくなり、最近はあまり飲まなくなりました。
一杯のコーヒーに砂糖スプーン5杯に大量のコンデンスミルクが投入されています。

このコーヒーを1日に何度か飲んでいるのを見かけられます。


そんな私の味方は、セブンイレブンで売られている「Oi Ocha」
Unsweetened Green Teaと書かれていますが、タイで売られている緑茶のほとんどには砂糖が入っているため、
砂糖が入っていないタイプはほとんど見かけません。
そのためこの「お〜いお茶」は救世主です!


⭐︎甘めの味付けが好き!



私も3食外食をしていますが、どの料理も砂糖や油分がとても多く感じます。
日本のタイレストランでも大好きなパッタイをタイで食べると、とても甘くて驚きました。
甘くしない方が美味しいだろうに・・・、と私は思ってしまうのですが、きっと味覚が違うのでしょうね。
(というかタイの方々の砂糖依存を疑っています・・・)


タイ料理のレストランや学食でもどこでもおいてあるのがこちら。

「クルワンポン」という、4種類の調味料です。
粉唐辛子、唐辛子入りの酢、ナンプラー(魚醤)、砂糖が入っています。
元々甘く味付けをされた料理にさらに砂糖を加えて食べているのをよく見かけます。




⭐︎油分の多い屋台⭐︎

バンコクではファーストフードやコンビニが街中に溢れていて、揚げ物や脂肪分多目の屋台がとても多いです。

屋台の定番、フライドチキンや揚げパン。

こちらは朝食の定番、ムーピン。
豚に甘いタレをつけて炭火で焼いているもので、日本人が好む味です。
これをカオニャオというもち米と共に食べます。
美味しいけれど、脂肪分がとても多いです。

このような屋台はどこにでもあるのですが、学校の下校時間になると子供たちをターゲットに学校周辺に集まってきます。
そして下校途中の子ども達が屋台で買い食いをする姿をよく見かけます。
バンコクでは特に子供たちの肥満が深刻なのですが、このような買い食いも大きな問題であると思います。
子供の健康のために学校内のファーストフードや売店を一掃した学校もあるのですが、
学校から一歩でると屋台が並んでいるので、
あまり効果がないように思います。

⭐︎ファーストフードの乱立⭐︎

さらに驚いたのは大学病院内にマクドナルドやケンタッキーフライドチキンダンキンドーナツなどのファーストフードが入っているということ。

ファーストフードを控えようというポスターが病院の壁にたくさん貼っていながら、
病院内にマクドナルドがあるというどうにも矛盾を感じます。



しかしファーストフードは
マクドナルドではモーニングソーセージエッグマフィンセットが142THB(約500円)と、
高級志向。
多くの人々が朝食を取っている屋台では一皿30-40THB(100円〜150円)なので、この価格設定は驚きます。

私も毎日30THBの食事を学食で食べるのに慣れているので、この価格を見ると一歩引いてしまします。
142THBも出せば、レストランでハイクオリティーの美味しいタイ料理が食べられるのに・・・。

インドでは上流階級の人々が好んでファーストフードで食事をしているのを見かけました。
ファーストフード=気取った場所というイメージがあるようでした。

バンコクで友人たちとスターバックスコーヒーに行った時に、嬉しそうにカップと共に写真を撮っている姿を見かけましたが、
ファーストフードはカッコ良いというイメージが少なからずあるのでしょうか。


以上です。



次のブログではタイの食生活の利点についても挙げたいと思います。
少なくとも私はタイでの生活の方が日本にいる時よりもよっぽど健康的な生活が送れています。
その一部を紹介したいと思います。