休診
最近強盗事件やらバスのコンダクターによるレイプ事件とか、嫌な話を耳にします。
隊員の中でも家に窃盗に入られたという話も少なくありません。
バスは乗客が誰も居ない時には乗らないとか、戸締まりをしっかりするとか、寝る時はアラームをそばに置いて寝るとか小さい事だけど気をつけています。
ところで例のカウンターパート、私の仕事道具を一式持ち去ってしまってから3日目が経過。
いまだに仕事に来ていません。
よっていまだに私は診察ができません。
せっかく来てもらった患者さんには話だけ聞いて「また来てね」、と伝えています。
仕事ができないので生活習慣病パンフレットを作成したり、お料理教室したり、皆でラジオ体操したり。
料理教室中、
「私ね、チヒロに言われた通りごはん減らしてるんだけど、体重が3kgも減ったんだよ!」
「そうなの?私もやってみる!」
とかそんな話をしているのを聞くと嬉しくなります。
そうやってダイエット経験者の口から口へ広がって行くのが一番効果的だなぁと思っています。
血圧計が無くとも、血糖測定器が無くとも、やることもできることもたくさんあるのです。
料理教室をやりながらとっても楽しそうな患者さんを見てそんなことを思いました。
初日は仕事が出来ない事にイライラ。普段の小さな積み重ねが爆発!
でも、いくら私がイライラしても、怒っているのは私だけなんです。
周りの同僚は「仕方ないねー」と笑いながらも他のクリニックに物品を探しに行ってくれたり、
せっかく来て診察してもらえなかった患者さんも「仕方ないね。じゃあまた来るよー」と笑顔。
のんびり、ゆったり、スマイル。
私のイライラとpeacefulな彼らとのギャップ。
怒ってもしょうがないなーという気にさせられます。
私のような外国人が支援に入り、
こうしなければいけないとか、こうすることが彼らにとって良い事だ!というような考えは
結局彼らが決して求めてないことだったりするということが少なからずあります。
それはやはりお互いの常識のずれが原因の1つでもあります。
先輩隊員が帰国発表で話していた、
『常識とは、18歳までに身に付けた偏見を意味する。』アインシュタイン。
他の隊員もfacebookに書いていたけれど私もこの言葉の本質をここに来て理解します。
私たちの常識は彼らにとって非常識でもあり、逆もしかりです。
例えばソロモンでは人前で叱るという行為はあまり良いこととされていません。
怒りという表現を表に出す事もあまりない。
よって私のイライラを表現してしかも八つ当たりをしてしまうという行為は良くなかったことだなと反省。
だからといってこのような状態が継続していくのも問題。
カウンターパートが帰ってから話をしようと思います。
相手の常識を理解し拒絶をしないことがとても重要。
同じように、自分の中の常識について理解してもらえるよう努力することも重要。
ソロモン人に限らず他の国の人々と関わりながら日々思うこと。
とっても難しいことだけど大切なこと。