Final cooking class in the Solomon Islands!!
さて1年4ヶ月に渡り続けて来たソロモン諸島での料理教室のお話です。
先日家で料理をしていて缶詰を開けようと思ったのですが、
缶切りがなかったため、代わりにナイフを使って缶詰を開けました。
開けた後冷静になり、これこそソロモンで磨いたスキルだ・・・と実感しました。
ちなみにソロモン人はスプーンで缶詰を開ける事ができるのですが、私はそのスキルを取得できませんでした。。
そんなサバイバルなスキルを磨いた教室は「私が講師」という形から「ソロモン人が講師」という形にスイッチをしていきました。
毎回最後にミーティングを持ち、次週の講師は誰がするか、何を作るか、そして材料の分担について話し合いました。
この日はパイナップルタルトとココナッツクリームタルトを企画してくれました。
以前の私のフライパンバナナケーキから学び、フライパンで作るタルトのレシピを考えて来てくれたのです。
講師を任せることで、皆から徐々に責任感や自主性が芽生えて来ていると感じました。
バナナケーキと同じようにごく弱火で蓋をして焼きました。
パイナップルを擦って、ライムとともに煮込みソースを作ります。
焼きあがったタルトの上にパイナップルソースをかけます。
さらにカスタードクリームを作り、塗っていきます。
ココナッツクリームタルトは、
ココナッツミルクを作り(ココナッツの胚乳を削り水を加えて絞ったものを煮込んだもの)、
それにカスタードパウダーとライムを加えてクリームを作りました。
完成!
糖分少なめでつくりましたが、なかなかおいしかったです!
さて料理教室の最終日となりました。
当日は大きく新聞に記事を載せてくれました。
最終日は、
各自材料を持ち寄って調理して、私の送別会を開いてくれました。
ツナとタマネギのサンドイッチ、
スターフルーツときゅうりとライムのジュース、
またまた!ココナッツクリームパイ!
手作りのココナツブレッド
みんなで作ってくれました。
そして私のためにお祈りをしてくれて、一緒に食べました。
いつも私がほとんどの材料を準備していたのですが、
この日は自発的に材料を持ち寄り料理してくれたことがとても嬉しく思いました。
最後の教室の後にある方がお手紙と手作りのアクセサリーをプレゼントしてくれました。
お手紙には、'Thanks for the chance we could learn cooking and sick. I am so happy to learn cooking and knew many knowledge of cooking except used with fatty coconut milk'
(料理と病気について学ぶ機会を与えてくれてありがとう。ココナッツミルク料理以外のたくさんの料理を知る事ができて嬉しい!)
と言った言葉が書かれていました。
そうなんです。ソロモンではほとんどの料理にココナッツミルクを使用するのですが、
ココナッツミルクはとても脂肪分が高く高カロリーなのです。
だからココナッツミルクを使用する以外にも野菜を使うレシピはあるんだよ!
ということを伝えたかったというのも料理教室を始めたいきさつでもありました。
(ちなみに、最近日本でもブームのココナッツウォーターに関してはココナッツミルクと成分が異なるため
低脂肪低カロリーです!)
このお手紙を読んでその方のお気持ちにとても嬉しくて涙が出ました。
さて私が1年4ヶ月にわたって開催してきた料理教室、
計54回の教室を開き、350名以上の方が参加してくれました。
料理を通し、
栄養や生活習慣病についての知識を伝えてきました。
そして娯楽の少ないソロモンで仲間が集え、気分転換の場となる事を目指してきました。
料理教室を始める前は、実はお焼きを病院で販売することからスタートしました。
そしてお焼きを教えてほしいという人が増えてきてワークショップなどで教える事を始めました。
そして、実はソロモン人が料理が好きなんだということに気づき始め、教室を運営する事を決めました。
最初はあまり人が集まらなかったので病院スタッフを呼んで開催していました。
ローカル料理を学ぶためにレッドクロスのレストランへも毎日ランチタイムに通いました。
時々ビレッジに行ったときは友だちから料理を学んだり教えたり。
薪から火を起こすのも得意になりました。
(魚のさばき方も、ニワトリの絞め方も、豚の絞め方も・・・。写真ごめんなさい。)
色んな国の友だちからも料理を学び、それらはレシピを考えるアイディアにもなりました。
教室の後は生活習慣病講座も開きました。
後半にはJICAの田中明彦事理長が教室に来てくださいました。
今日も夢の中で「あー早く来週のレシピを考えなきゃ!」とうなされて目を覚ましました。
実際そのくらい毎週の料理教室の運営は私の中でプレッシャーではありました。
参加者の方々は毎回新しいレシピを知りたいという熱い思いを持って参加されていたので、期待に答えないとという思いがありました。
結果週末は新しいレシピの考案に使う事がほとんどでした。
そんなプレッシャーでもあった教室でしたが
教室を通し、彼らに伝えたこと以上に多くのことを学びました。
ボランティアって、きっとそういうものなんじゃないかと思います。
2年前の協力隊派遣前の訓練の中のある方の講演の中で、
「ボランティアとは何ですか?2年後には自分の言葉で言えるようにしてください」と言われたのを覚えています。
人を無償で助けたいと思っても、結局は与えられることの方がきっと多い。
そういう意味でボランティア活動とはお互いの足りている部分は共有し、足りないところは補い合うことではないかと
2年間を通し私なりに答えを出しました。