大学院で国際保健について研究しています。

管野先輩


震災後にメディアで取り上げられてご存知の方も多いかと思いますが、TIME誌の「2011年世界で最も影響力のある100人」に選ばれた管野武先生の著書です。

管野先生・・というよりは私にとっては「管野先輩」の方がしっくりときます。

大学入学当時私はジャズバンドに入部したのですが、管野先輩はそのバンドの先輩でした。
サークルハウスの前で椅子に座りながらトロンボーンを黙々と吹いている様子が今でも思い出されます。
当時から先輩は人望が厚く、常にムードメーカーで部活を盛り上げてくれていました。
入部したばかりの私のような新人にも馴染みやすいように気軽に話しかけてくれました。
そして先輩は飲み会ではとても弾けて楽しそうにされていたのを覚えています。
卒業後の先輩の様子は噂でちらりと聞く程度で、実際にお医者さんをされているイメージはあまりありませんでした。
実際にメディアで取り上げられていても、実際にどのように活動されていたのかということまではわかりませんでした。

本を読み、先輩の実際に経験されたことや、医療に対する思いや先輩自身のバックグラウンドにある考え方を知り、ようやく実感がわきました。
日本中恐怖に包まれる中、
ご自身も車や家財道具を流され被災されながらも、人命救助を率先して行い、
地域のためという信条を崩さず地域の医療の復旧・復興のために尽力をされました。
震災直後の急性期のみならず、
その後いったん仙台に戻り、産まれたお子さんの無事を見届けたあと、
再び南三陸町に戻った後のことも記述されています。
また、先輩の周りの看護スタッフの献身的な活動の様子も詳しく記述されており、私自身も勉強になりました。

生き残った人間が何をなすべきか、その一つの答えが記されています。


先輩の思いは間違いなく、次の世代に受け継がれていくような気がします。


是非この本を読んでいただきたいです。
http://www.kahoku-ss.co.jp/yorisoi.html
ここから購入できるようです。