大学院で国際保健について研究しています。

母校に帰りました。


先日、退職をしてから約2年ぶりに大学に行ってきました。
大学4年間、就職してから2年間・・思い出つまった街です。
毎日見ていた風景なのにとっても眩しく見えました・・・。


看護学部の前の松林に何やら建物が!!!医学部の研究棟?だったかな。
昼休みに歩いた道、ぼーーっとしていたベンチがなくなった・・・。


今回は医動物学教授の松岡先生にマラリアについてあれこれ教えて頂いてきました。

私の派遣されるソロモン諸島マラリアの蔓延している地域の一つでもあり死亡率も高いです。
マラリアについて本を探してもあまり詳しく書いていない。
載っていることは載っているけど分厚い本のほんの数ページだけというような状態でもっと勉強したいなと思い、、
先生に相談したところ、快くいつでも研究室に来てくださいとのことでした。
松岡先生はマラリア研究の第一人者でもあり、マラリアについての様々な研究をされています。
JICAのマラリア専門家としてもご活躍されていたこともあります。

研究室では現在されている研究の一部のお話を聞いたり、
途上国についての知識にもとても長けていてマラリアの予防方法や途上国での生活の知恵なども教えてくださいました。
私の学生時代の成績に愕然としたりもしました。笑


まずマラリアとは・・・
マラリアは最も広く分布する感染症のひとつであり世界では3億人もの人々がマラリアと闘っています。また、適切な治療を受ければ命を落とすことはない疾患とされながら、年間300万人もの人々がマラリアで死亡していると推計されています。 

マラリアはいずれも単細胞の寄生虫であるマラリア原虫による赤血球感染症です。
この原虫は、ハマダラカという蚊に刺されることによって媒介され感染します。

適切な治療のためには、迅速な診断が必要となるのですが、血液塗抹標本をギムザ染色し、光学顕微鏡で検査する方法(顕微鏡法)がgold standardです。
今回はマラリアに感染したネズミから採血を行いギムザ染色の方法と光学顕微鏡でマラリアを見つける方法を教えて頂きました。


①ネズミをつかまえて先生自らネズミさんを何百匹もうじゃうじゃ飛んでいるハマダラカの檻へ IN!
この写真の部屋は一枚の壁で隔たれており、蚊が媒介しやすい温度に調整して飼われております。

さすがに可哀想で直視できず。。数分後にはネズミは蚊に噛まれまくって真っ黒!><


数時間後ハマダラカに噛まれまくったネズミを採血。

ギムザ染色をする。メタノール→リン酸緩衝液→ギムザ液


20分待ち、水洗い。



赤血球に寄生するマラリア


インドネシアからマラリアの勉強に来ていた先生と一緒にお勉強しました。

これがほんっとうに難しい。
どこにマラリアが居るのか??
血液の中、私の目にはマラリアっぽいものがたくさん見えるんです。
何時間も何枚ものプレパラートを覗きました。。
しかし、、
数日後には何倍にも増殖しているマラリア、、恐るべしです。
最も恐ろしい熱帯熱マラリアは早急に治療をしないと
どんどん赤血球を壊しARDS、多臓器不全、マラリア脳症になると錯乱、痙攣、昏睡→死亡 に至るそうです。


現地でこんなことができるのかな?不安に思ったら簡易的な血液検査キットも。
ただこれはコストがかかるようですが。

マラリアはワクチンがないのです。
迅速診断、治療がとっても大切であることがよく分かりました。

私自身も気をつけなければいけないなと重々に思いました。
蚊帳、防虫スプレー、薬等々日本から持って行ける物はしっかり揃えて行こう!


そんな感じで
2日間ネズミさんの採血しては顕微鏡を覗いてマラリアを見つけるということをしていました。
インドネシア人の先生も一緒だったので先生はほとんど英語で講義。
つたない私の英語力ではついていくのはかなり大変でしたが、すごく勉強になりました。



松岡先生とDr.Rezaと一緒に



普段本屋では見ない希少価値の高い本まで!!

2日目は先生が開催する「百人一首の会」に参加。
百人一首をするのかとでも思ってたら、一人ずつ好きな和歌を発表するという会でした。
歴史的背景とか、どんな思いでこの和歌を書いたのか・・・

ちなみに私はこれにしました・・・



玉の緒よ絶えなば絶えね 長らへば忍ぶることの弱りもぞする     式子内親王

激しい女のヒステリックな気持ちが伝わって来てきて良くないですか??


百人一首の会」


長くなりましたが以上です!